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塩は体に良い、悪い?本物の塩の選び方や見分け方

塩は体に良い、悪い?本物の塩の選び方や見分け方

一般的に塩は体に悪いというイメージをお持ちの方が多いかと思います。

でも実は塩にも種類がいくつかあり、体に良い塩もあれば悪い塩もあるんです。

そこで今回は体に良い本物の天然塩の見分け方や、健康や肌に良い理由などについて解説していきます!

目次

体に良い塩と悪い塩の違い

塩には実は、「体に良い塩」と「血圧を上げてしまうしょっぱさの強い塩」があります。

塩の種類の詳細については後述しますが、健康にあまり良くないのは「精製塩」と呼ばれる精製された塩。

人の体には一定のミネラルが必要なのですが、精製塩は精製過程でそのミネラル分のほとんどが取り除かれてしまいます!

そうすると残るのは塩分の主成分であるナトリウム。ナトリウムを過剰摂取すると、血圧が上がったり腎臓に負担がかかったり、病気の原因になることも。

つまり、体に良い塩というのは「ミネラルを含んだ精製されていない塩(≒天然塩、自然塩)」。

体に悪い塩は「ミネラルが取り除かれていてナトリウムのみの塩(精製塩)」ということです!

ちなみに一般的な食卓にある塩は精製塩です。健康に良いとは言えない塩が世の中に多いため、塩=体に悪いというイメージが一般的に。

ただし精製塩のメリットもあるのですが、それは後述します。

ミネラルとは

では健康に良いミネラルとはそもそも何なのでしょうか?一言で言うとミネラルとは体の調整役です。

人間の臓器や細胞の活動のサポート、歯や骨のもとになったりと生きていく上では欠かせないものです!

ミネラルは地球に存在する118種類の元素のうち、水素、炭素、窒素、酸素を除いた元素のことで、岩や土に含まれ無機質とも言います。

カルシウムや鉄などの種類があり、現在では114種類見つかっていますが、その中でも人の体に必要とされている「必須ミネラル」は16種類です。

そしてミネラルは体内でつくることができないため、食べ物などから摂取する必要があります!

だからミネラル分が豊富な塩は体に良い、むしろ必須なものなのです!

ミネラルが不足すると不調な状態に

体のミネラルバランスが崩れると、細胞や神経、筋肉系など様々な体の機能が正常に働かなくなってしまいます。

ミネラルが不足すると、虚脱感、疲労感、頭痛、脱水症状、精神疾患、冷え、貧血、生理不順など、いわゆる不調と呼ばれるさまざまな症状がでます。

例えば女性の悩みとしてよく挙げられる頭痛、疲れ、便秘、立ちくらみなどの症状はマグネシウム不足に起因します。

体の働きを正常にするためにも、適切なミネラルバランスを保つことが健康のためには非常に重要になります。

体に良い塩のミネラルバランス

人の体に良いミネラルバランスは実は海水とほぼ同じバランスなのです!

だから、海水が原料となる天然塩を適度に摂取することで、自然と適切なミネラルバランスを保てるのです。

原材料に岩塩等の海水以外の記載がある塩もありますが、岩塩や湖塩なども元は海水です!

ミネラル豊富な天然塩を接種してれば、無理にサプリなどでミネラルを摂る必要も無いんです!

塩の種類

それでは具体的にどの塩が体に良いのでしょうか?

塩には大別すると3種類の塩があります。

塩の種類

  • 天然塩(自然塩)
  • 精製塩
  • 再生加工塩

基本的には全て海水が原料となりますが、その作り方の工程などにより種類が分かれてきます。

岩塩も元は海水です!

天然塩(自然塩)

海のミネラルバランスをそのまま残した天然塩

自然塩とも呼ばれることのある天然塩は、塩分である塩化ナトリウム以外のミネラルを豊富に含んだ塩のことを指します。

作り方は様々ありますが、人工的に精製されていない自然な方法で作られた塩のことで、実は「天然塩」という明確な定義はありません。

海水を天日干ししたり、平釜で煮詰めたもの、岩塩を採掘したものなど様々です。

ナトリウム以外のミネラル分は旨味や甘味を持つため、塩味の中に甘みや旨味などの深さを感じられる味わいになることが特徴です。

ただし精製塩に比べるとどうしても少し高価になってしまうという特徴もあります。

精製塩

https://www.ajinomoto.co.jp/ajishio/

精製塩は科学的な方法で海水を濃縮し、塩分であるナトリウムのみを抽出して作られた塩です。

基本的に塩化ナトリウム99%以上との記載もあるように、ミネラルや微量元素などは全て取り除かれています

ミネラル分が入っていないため味としてはシンプルに塩味を感じるしょっぱい味になります。

天然塩などと比べると大量生産に向いているため、価格は安いという特徴があります。

再生加工塩

再生加工塩は、精製塩や海外から輸入した天然塩に、にがりや海水を添加した塩です。

にがりとは海水から塩を作る際にできる、余剰なミネラル分を多く含む粉末や液体のことです。

精製塩に比べるとミネラルバランスの整った塩で、精製塩と天然塩の中間と捉えてもらえればと思います。

天然塩と精製塩の見分け方

では天然塩と精製塩はどのように見分けたら良いのでしょうか?

塩は原材料名と工程の記載が義務付けられているため、この2つを見ることで塩の種類を見分けることが可能です!

塩の種類原材料工程
天然塩天日塩、海水、岩塩、湖塩天日、平釜
精製塩海水イオン膜、立釜、乾燥
再生加工塩天日塩、海水溶解、平釜(立釜)
塩の種類の見分け方。ラベルを見て判断可能です

参考までに、塩の工程はこんなにもたくさんの種類があります。

塩の工程:

  • イオン膜:いわゆる精製塩の製造方法。海水を電気分解して塩化ナトリウムだけを取り出す。純度は高いが大切な栄養素が失われてしまっている
  • 逆浸透膜:海水中の塩分を濃縮する方法
  • 溶解:天日塩や岩塩を水に溶いて濃い塩水を作ること
  • 天日:太陽や風など自然の力を利用した蒸発法。日射量が多く乾燥した気候の地域が向いている
  • 平釜:開放釜で煮詰めて塩の結晶を作る方法。多湿で降水量の多い日本でよく取られてきた、昔ながらの作り方
  • 立釜:密閉した容器で蒸気加熱し、真空や加圧によって結晶を作る方法
  • 乾燥:塩の結晶を加熱して水分を取り除く作業。サラサラした塩になる
  • 焼成:高温で焼くことにより固まりにくくサラサラの塩になる
  • 採掘:岩塩や湖塩を掘り起こすこと
  • 粉砕:塩の塊を砕いて粒を小さくする、ふるいにかけて粒の大きさを整える

 

正しい塩の選び方

塩の種類や体との関係について解説してきましたが、塩の選び方には目的と金銭面での選び方の2種類があります。

金銭面での塩の選び方

基本的に体のことを考えるのであれば天然塩が良いですが、その希少性からやややや値が張る場合が多いです。

金銭的にそんなに掛けられないよ!という場合にはミネラルが豊富な再生加工塩を選ぶようにしましょう。

目的に合わせた塩の選び方

大前提として個人的なおすすめは塩は1種類だけを持たず、目的に合わせて複数を使い分けるということです!

目的おすすめの塩の種類
・調理中の味付け
・複数の調味料や食材を使う場合
再生加工塩、精製塩
・調理後の味付け
・肉や魚を焼く場合
再生加工塩、天然塩

お肉や魚介などたんぱくな食材を焼いたり、最後の味付けで使う場合はミネラルを多く含んだ旨味のある天然塩を使うと食材の味を引き立たせることが出来ます。

ただし、煮物や多くの食材が入った炒め物などに使うと雑味が生まれたり、逆にミネラルが邪魔な存在になってしまうこともあります。その場合は雑味のすくない精製塩や再生加工塩を使いましょう。

天然塩の原材料でも使い分けを

いざ天然塩を使おうとした場合でも、原材料により味が変わり合う食材も変わってきます。

例えば赤身の肉などの味の濃い食材の場合は、塩もしょっぱさが比較的強めのもの、例えば岩塩などが合います。

逆に白身の魚や野菜などの繊細な味の食材の場合は、しょっぱさがまろやかなものがおすすめです。

原材料特徴
岩塩塩気がしっかりとしていてパンチ、肉の臭みを消す効果も
海塩ミネラルが多くまろやか、水に溶けやすい
天日塩まろやかな味わいで繊細な味わいを引き出したいとき※製法、天然の海塩
湖塩ミネラル分が適度でやわらかな苦みと甘みがあり、色々な料理に合わせやすい
温泉水※扱いとしては海塩と同じ

また、少し上級者向けの使い方にはなりますが、

苦みのある食材には苦味のある塩をを使うなど、成分ごとの味ごとのバランスで好みを決めたりすることもおすすめです。

ミネラル分味の特徴
カリウムキレのある酸味
カルシウム甘い無味
マグネシウム旨い苦味(塩化マグネシウム)、コクのある苦味(硫酸マグネシウム)
ナトリウム塩辛味
主要ミネラル分ごとの味わいの違い

塩が体に悪いイメージは精製塩が一般的だから

世間一般では塩=健康に悪いもの、摂り過ぎてはいけないもの、という認識が一般的かと思います。

でも冒頭でお伝えした通り、塩は本来体に良いものです。

ではなぜ体に悪いものというイメージが広がっているのかというと、塩分のみを摂るために大量生産された精製塩が食卓では一般的だからです。

例えば高血圧を招きやすいというのも、ナトリウムが原因ですがミネラル分であるカリウムを一緒に摂ることで体外への排出を促すことができます。

ただ精製塩はミネラルを排除してしまうため、高血圧のリスクを生んでしまうのです。

もちろん精製塩にもメリットはあるので、塩の種類ごとの特徴を理解し、しっかりと使い分けることで無理に塩分を抑える必要は無いのです。

塩分に限らず、どんなものでも摂り過ぎは良くないものです。

塩の適量は?

天然塩が体に良いとはいえ、摂り過ぎはよくありません。では、塩の適量はどのくらいになるのでしょうか?

食塩摂取の1日の目標量は、成人男性10g未満、成人女性8g未満とされています。

参考:厚生労働省:調味料の上手な使い方

精製塩の場合は99%がナトリウムになるので摂取量=食塩摂取として捉えられます。

ただ天然塩はミネラル分も含みますので、ナトリウム400m=食塩1gと換算して計算しましょう。

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この記事を書いた人

美塩ソムリエ・食塩アドバイザー・フードコーディネーター
天然塩の美味しさ、素晴らしさを伝えるために情報発信中!

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